「仕事を探さなきゃ」と思っても、どうしても動けない。
求人サイトを開くだけで、胸がザワザワして、手が止まってしまう。
そんな状態でした。
前の職場では、理不尽なことで怒鳴られたり、どれだけ頑張っても否定され続けたり。
ただ毎日をこなすだけで、心がすり減っていきました。
その経験から、「次の職場もまたブラックかもしれない」という不安がずっとつきまとっていて。
働くことそのものが怖くなってしまったんです。
でも、そんな私でも、少しずつ前に進むことができました。
この記事では、そんな私のリアルな体験をお話しします。
仕事を探したいのに、動けなかった理由
ブラックな職場を辞めたあと、すぐに新しい仕事を探さなきゃとは思っていました。
でも、心の中ではずっと同じ気持ちが渦巻いていたんです。
「もし次もブラックだったらどうしよう…」
「また怒られたらどうしよう」
「前と同じように、理不尽に責められるかもしれない」
「がんばっても、結局“使えない人”って思われるのかも」
そんな想像ばかりが浮かんできて、前に進もうとする気持ちにブレーキがかかっていました。
私の中ではいつの間にか、「働く=つらいこと」というイメージがこびりついてしまっていたんです。
自分に向いてる仕事がわからない…
何をすればいいのか、まったく見えませんでした。
「自分には、どんな仕事が合ってるんだろう?」
「そもそも、私にできることなんてあるのかな?」
頭では「動かなきゃ」と焦っているのに、体がまったく動いてくれない。
前の職場で心がすり減ったせいで、自信がすっかり抜け落ちてしまっていたんです。
求人を見ても、「これは自分には無理そう」としか思えず、どんどん気持ちが沈んでいきました。
時間だけが過ぎていくなかで、ただ焦りと不安ばかりが膨らんでいきました。
リハビリのつもりで始めたバイト
そんなとき、たまたま目に入ったのが、期間限定の短期バイトの求人でした。
「期間が決まっているなら、合わなくても終わりがある」
「ちょっとだけなら、やってみようかな」
そう思って、思い切って応募してみたんです。
実際に働いてみると、思っていたよりもずっと楽でした。
仕事内容もそこまで難しくなく、人間関係も穏やかで、安心できる空気がありました。
「職場=怖い場所」だと思い込んでいた私にとって、それはとても大きな救いでした。
「なんとかやっていけるかも」と思える瞬間があったことで、少しずつ自信を取り戻せたんです。
またブラック…でも前とは違っていた
そのあとも、リハビリのつもりで、もう一度短期のバイトをしてみました。
「ゆっくり慣れていけばいい」と思って選んだ職場だったのですが…
そこは、まさにブラックそのもの。
- 大声で怒鳴る上司
- 理不尽な指示が日常茶飯事
- 常にピリピリとした空気
働き始めてすぐに、「これは前と同じだ」と気づきました。
でも、今回は前と違って、自分の中で“無理”と判断することができたんです。
「もう限界かも」と思ったタイミングで、自分から退職を申し出ました。
すると、意外にもあっさり「わかりました」と返されて。
実は、「ここ、すぐ辞める人多いんですよ」と聞いていたんです。
そのとき、思わず心の中でこうつぶやいてしまいました。
「そりゃそうだろ。」
ブラック職場とそうじゃない職場の違い
安心できる職場に出会えたことで、初めて気づいたことがありました。
「前の職場、おかしかったんだ」って。
当時はそれが当たり前だと思っていたけれど、違ったんです。
怒鳴られるのも、理不尽な指示も、毎日ピリピリした空気も、ぜんぶ“耐えるべきこと”だと、どこかで思い込んでいた自分がいました。
でも、違いました。
そんな場所ばかりじゃなかった。
「ここなら、大丈夫かも」って思える空気がある職場は、たしかに存在するんです。
その違いを、私なりに感じたままにまとめてみました。
項目 | ブラック職場 | 安心できる職場 |
---|---|---|
雰囲気 | 怒号、威圧、緊張感 | 穏やか、落ち着いた空気 |
指示の出し方 | 理不尽、急かされる | 丁寧、わかりやすい |
自分の気持ち | 常に不安、逃げたい気持ち | 少しずつ安心できる |
判断のしやすさ | 思考が停止、辞める決断が遅れる | 「無理」と気づける |
すべてが完璧な職場なんて、きっとありません。
でも、自分の心がちゃんと落ち着ける場所かどうかは、実はすごく大切な判断基準なんだと思います。
あの頃の私が、少しでも早くこの違いを知っていたら。
そんなふうに思うこともあるけれど…
今、気づけたことが何より大事だと思っています。
少しずつ、“自分を守る力”が戻ってきた
正直に言えば、今でも働くことに対して不安がゼロになったわけではありません。
でも、「どこも全部同じじゃないんだな」と思えるようになってきました。
そして、前の自分と違うのは、「もう無理だ」と思ったときに、その気持ちをちゃんと信じられるようになったこと。
無理にがんばらなくてもいい。
しんどいと感じたら、途中でやめたっていい。
そう言うと、「甘えてる」と見られてしまうこともあります。
実際、そういう風潮がまだ残っているのも事実です。
でも、誰かの価値観よりも、自分の心と体のほうがずっと大事。
今はそう思えるようになってきました。
少しずつだけど、「自分を守る感覚」が戻ってきたように思います。
あの頃、何もかもが怖くて、何もできなかった自分から、少しだけ前に進めた。
それだけで、十分すぎるほど大きな変化でした。
職場選びで大切にしたいこと
働くことに対して不安を感じていた私にとって、「どんな職場を選ぶか」というのは、すごく大きなポイントでした。
前は「選ぶなんて贅沢」「とにかく働かなきゃ」って思っていたけれど、それで無理をして心がすり減ってしまった経験があるからこそ、今はこう考えるようになりました。
「自分にとって安心できる環境を、ちゃんと選んでいい」って。
まだ働くのが怖い、という気持ちがあるなら、なおさら焦らなくて大丈夫。
少しでも心が楽になるような選び方ができると、それだけでも全然違います。
私が「これは大切かも」と感じたポイントを、簡単にまとめてみました。
ポイント | 内容 |
---|---|
働く期間 | まずは短期・単発など、期限のある働き方から始めると安心できる |
職場の雰囲気 | 人間関係が穏やかかどうか、怒鳴り声やプレッシャーがないかを見る |
無理しない判断基準 | 「これは違う」と感じたら、無理をせず早めに離れる選択も大切 |
自分の気持ちの変化に注目 | 「ちょっとやってみよう」と思えた時点で、すでに前進しているということ |
今の自分にとって、どんな働き方が合っているか。
それを見つけるのに、正解もゴールもありません。
小さな一歩でも、自分なりのペースで選んでいくこと。
それがきっと、今いちばん大事なことなんじゃないかと思っています。
まとめ:少しずつで、大丈夫
ブラックな職場でつらい思いをすると、次に踏み出すのが本当に怖くなります。
私も、同じように立ち止まっていました。
でも、すべての職場がそうじゃありません。
ちゃんと、自分に合う場所も、安心できる環境もあります。
いきなりフルタイムじゃなくていい。
短期でも、単発でも、ほんの少しずつでいいんです。
大事なのは、「もう一度がんばってみようかな」と思えた自分の気持ちを、ちゃんと受け止めてあげること。
誰かと比べなくてもいいし、焦る必要もありません。
あなたのペースで、大丈夫。
ゆっくりでいい。
自分の心の声を大切にしながら、少しずつ進んでいけたら、それで十分です。
もし今、怖くて動けないと感じているなら、無理をしなくて大丈夫。
一歩が小さくたって、その一歩はちゃんと“前”に向いています。
あなたの歩幅で、また前に進んでいけますように。